酒
Oct 1, 2025
藤井 厳喜
脊山 麻理子

スペイン南部ヘレスの地で、何百年も受け継がれてきた“シェリー文化”。その奥深さを体験するかのように、藤井厳喜と脊山麻理子さんが、家族経営のボデガ(酒蔵)を巡りながら、その土地の味と造り手の誇りを全身で受け止めた。今回の取材で浮かび上がったのは、「シェリーはただの酒ではない」という真実。潮風と土壌、家族の物語、女性の情熱、そして200年以上続く伝統。そのすべてが液体の中に宿っていた。小規模だからこそできる細やかな手仕事と、地域ごとの個性がはっきりと香り立つシェリーの世界。飲むごとに“旅をしているような感覚”に包まれる。知られざるシェリーの本質、その扉を開きたい人は必見です!
介入を最小限に、果実の声を最大限に生かすボデガ。化学製品に頼らず、自然酵母に任せる潔さ。大西洋の潮風がブドウに塩味とミネラル感を与え、まさに“海が育てたワイン”として存在感を放つ。軽やかな飲み口の中に広がる奥深い余韻。造り手の「自然を支配しない」という姿勢が香りと味わいに表れる。
世界的に有名なクラシックシェリーの名門ボデガ。家族経営で200年以上続く歴史を持ち、熟成の深さとバランスの美しさが圧巻。特に力強く複雑な味わいを持つアモンティリャードは、藤井が「ワインの領域を超えている」と驚くほど。長い年月を経た樽の香りが、飲む者に“静かな感動”を運ぶ。

化学製品を使わず、三人の女性が伝統的手法で守り続けるボデガ。10年以上熟成されたフィノの上品な花の香りは、脊山さんが「まるくて、ずっと飲んでいられる」と語るほど滑らか。50年熟成のパロ・コルタドは、深い旨みと力強さに藤井も沈黙。丁寧さと愛情が味に宿る、まさに職人魂の塊。

海岸から200mという立地で育つブドウが、塩味とミネラルを強く含む唯一無二の味に。試飲した二人は「飲むとお腹が空く」「食べる欲望を刺激するワイン」と表現。ブドウそのものに語らせる“テロワールのリアリティ”は、料理とのペアリングを想像させる楽しさを運んでくれる。
2007年創業の若いボデガ。土地の個性を最大限に表現するテロワール型シェリーを追求。伝統と革新の両立に挑む姿は、業界に新しい風を吹き込む存在。紅茶の香りを感じる独特の一本は、二人が思わず「他に例がない」と絶賛。シェリーの未来を象徴するボデガだ。
1850年創業、長熟シェリーにこだわる老舗ボデガ。大量生産を選ばず、あえて“少量で長く熟成させる”という矜持を守り続ける。樽の中で静かに眠らせ、時が作り出す複雑な香りと深い余韻を大切にする哲学。力強さの中に静かな落ち着きを感じる味わいに、藤井も思わず「これは瞑想のようだ」と表現。熟成とは技術ではなく“信じて待つ覚悟”。時間を重ねた人間だからこそ響く、重厚な一本だった。
「Dominio de las Ánimas」
最小限の介入と果実への最大限の敬意を融合させた自然派ボデガ
「Emilio Hidalgo」
クラシック・シェリーで業界を引っ張る世界的に有名な家族経営ボデガ
「El Maestro Sierra」
化学製品は使わず、伝統的製法を守り続ける女性が率いるボデガ
「Primitivo Collantes」
フロールや酒精強化に頼らず、土地と海風を見せる風土重視のボデガ
「For Long」
2007年に夫婦で始めたテロワール志向の新世代ボデガ
「Primitivo Collantes」
フロールや酒精強化に頼らず、土地と海風を見せる風土重視のボデガ
「Alvaro Domecq」
少量生産で長熟シェリーを作る1850年創業の老舗ボデガ
「エンディング」
「シェリーは旅だ」と強烈に感じました。飲むたびに景色が変わり、造り手の顔が浮かび、土地の匂いが思い出される。一本一本に物語があるからこそ、人は心を揺さぶられと思います。大企業の大量生産とは対極の、家族が守り続ける味。その強さは“信じるものを貫く覚悟”でした。シェイーの世界、まだまだ深くて面白い!
国際政治学者。ハーバード大学大学院博士課程修了。日本のマスメディアでは決して報道されない、欧米政府が扱うレベルの政治・経済の動向、そして市民レベルの情報も踏まえて、文化、思想、宗教など多方面から分析し未来を的確に見抜くその予測能力は、内外の専門家から高く評価されている。
元日本テレビアナウンサーであり、現在はフリーアナウンサー兼マルチタレント。知性と表現力を武器に、テレビ・ラジオ出演はもちろん、グラビアや写真家、さらにはプロレス挑戦など多彩な分野で活躍。慶應義塾大学卒という理系のバックグラウンドを持ちつつ、自分の枠を超えた挑戦を続ける、自由で多面的な表現者。
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