漫画サブカル
Mar 1, 2025
藤井 厳喜

墨と筆と和紙。古来より日本人にとって馴染み深い道具を使い、文字でも絵でもない新たな表現を生み出そうとした挑戦がここにあります。藤井厳喜が取り組んだのは「抽象画の掛け軸」伝統的な書道の枠を超え、古代文字のように見える線、妖怪を思わせる奇妙な顔、建物の残骸や彫刻を連想させる構図…。すべては即興的に生まれたものながら、不思議な奥行きとユーモアを放っています。鑑賞する者の想像力を刺激し、見るたびに新しい発見がある。まさに遊び心と探究心が重なった作品群です!
きっかけは、自作の掛け軸に描かれた一枚の抽象的な絵でした。そこから「墨と筆で抽象画を描けないか」という発想が生まれ、和紙に一気に描き上げる新しい試みが始まります。字を書く代わりに、自らの気分やイメージをそのまま線に託すことで、偶然性と即興性を楽しむ創作へと広がっていきました!
完成した六点の作品には、古代文明の文字を思わせる線や、幽霊や妖怪を連想させる顔のような形、縦横の棒だけで構成された幾何学的なパターンなど、多彩な表現が生まれました。中には「普段の筆運びとは逆の動きだけで描く」という遊び心から戦闘的な雰囲気を帯びた作品も誕生。即興的でありながら、どこか人間の内面や無意識を映し出すような迫力があります。

ある作品は建築途中の骨組み、あるいは崩れかけた廃墟、さらには彫刻のようにも見える抽象的な構図。藤井も「正解はわからない」と語りつつ、鑑賞する人が自由に意味を見出せる余白を残しています。これは書や絵画を超え、見る人それぞれの感性に委ねられた“参加型の芸術”とも言えます。「新しいカテゴリー」としてこの遊びを楽しみ、いずれ展示会などで披露したいです!

墨と筆で挑む抽象画の発想
多彩なイメージが生む造形世界
鑑賞者が意味を完成させる余白
今回紹介された作品群から感じられるのは、「型を破ることで生まれる自由さ」でした。書道のようでいて文字ではなく、絵画のようでいて物語性を押し付けない。抽象画の掛け軸は、伝統と遊び心が交わる中から生まれた新しい試みです。鑑賞者に解釈を委ねる余白があるからこそ、人は作品を前に自分自身の感情や記憶と向き合うことになります。日常に縛られた思考を解き放ち、「意味を求めすぎず楽しむ」ことの大切さを教えてくれるようでした!
国際政治学者。ハーバード大学大学院博士課程修了。日本のマスメディアでは決して報道されない、欧米政府が扱うレベルの政治・経済の動向、そして市民レベルの情報も踏まえて、文化、思想、宗教など多方面から分析し未来を的確に見抜くその予測能力は、内外の専門家から高く評価されている。
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