認知症と共に挑む

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82歳の生き方哲学

82歳の生き方哲学

その他

Feb 1, 2025

ゲスト

杉本 八郎

82歳にしてなお現役で活躍し続ける、認知症研究の第一人者・杉本八郎先生。高齢社会に生きる私たちにとって、いかに“チャレンジ”を続けるかは大きなテーマです。医学・教育・人生観を横断しながら語られる彼の言葉には、年齢を重ねることの希望と覚悟が詰まっています。最後まで読み逃さずに!

1. 「老いる」とは終わりではなく、第二のスタート

1. 「老いる」とは終わりではなく、第二のスタート

82歳にしてなお現役の杉本さんは、年齢を重ねることをネガティブに捉えていません。むしろ、人生の後半こそ「人間としての深まり」を実感できる時期だと語ります。医師として、教育者として、そして自ら認知症を体験した一人の人間として。その人生には、立場を越えて人と関わり、問い続けてきた軌跡があります。「引退したら“無”になる」という幻想を乗り越え、自分の中にある“これからの自分”に素直に向き合う。そんな杉本さんの姿勢から、年齢に縛られず生きるヒントが見えてきます。

2. 「認知症とともに生きる」時代に必要なまなざし

2. 「認知症とともに生きる」時代に必要なまなざし

認知症診断のパイオニアでありながら、自身も認知症と診断された経験を持つ杉本さん。「認知症になっても、尊厳と喜びを持って生きられる」と断言します。大切なのは、“記憶”の欠落にばかり目を向けるのではなく、いま目の前にいるその人の「気持ち」や「関係性」を大切にすること。本人・家族・支援者、それぞれが孤立しないための関係のあり方や、「専門職である前に人間であること」の重要性など、医療や福祉の枠を超えた“まなざし”が私たちに問われています。単なる介護の話ではなく、人間観そのものを揺さぶられる一節です。

3. “ことば”は、人を支え、未来を照らす灯になる

3. “ことば”は、人を支え、未来を照らす灯になる

詩を書く。声に出して読む。祈る。杉本さんにとって、ことばとは単なる道具ではなく、「人間の尊厳を守る力」です。病気や老いで記憶が曖昧になっても、詩や対話は人の心に届き、生きる手がかりとなる。そんな信念が、長年の医療と教育の実践から語られます。特に印象的なのは「看取り」と「別れ」の話。命の終わりに直面する人との対話には、沈黙と祈りの“ことば”が必要だと語ります。人とのつながりが希薄になる今、もう一度“ことばの力”に目を向ける必要があります。

内容紹介

内容紹介

  1. 「認知症と俳句」

    認知症は生活習慣病!?俳句が認知症予防に良い理由とは?


  2. 「剣道と成功」

    20代は剣道漬け...英国ガリアン賞受賞者が語る成功の秘訣


  3. 「教育と半生」

    原点は8人の兄弟との貧相な暮らし...杉本八郎先生が考える教育の本質とは?


  4. 「総括」

    認知症予防の第一人者が教える認知症にならないために知っておくべき2つのこと

編集後記

編集後記

「老い」は避けられないけれど、それをどう受け止め、どう活かすかは人それぞれ。杉本さんの生き様からは、年齢を言い訳にせず、心の声に従って進み続ける大切さを感じました。年齢に縛られない“挑戦する生き方”を、私たち自身がどう実践できるか。改めて考えるきっかけになりました。

藤井厳喜の2ndチャンネル』で一部、様子がご覧いただけます。

【人生100年時代】認知症研究の権威に聞く「認知症にならない生き方」

https://youtu.be/tMK3kavdfXs?si=JeCytzDEEGEZ-nNj

 

プロフィール

プロフィール

杉本 八郎

杉本 八郎

薬学者・脳科学者

薬学者・脳科学者

1942年、東京都生まれ。薬学者、脳科学者。

新薬開発の研究室で高血圧治療薬「デタントール」、そして世界初のアルツハイマー病治療薬「アリセプト」の創薬に成功。アリセプトは97年に米国で、99年に日本で承認・発売。98年、薬のノーベル賞といわれる英国ガリアン賞特別賞を受賞。同年、日本薬学会技術賞と化学・バイオつくば賞、2002年に恩賜発明賞を受賞。京都大学薬学研究科創薬神経科学講座教授、京都大学大学院薬学研究科最先端創薬研究センター教授、同志社大学脳科学研究科教授を経て同大学生命医科学研究科客員教授。日本薬学会理事、有機合成化学協会理事などを歴任。25年4月、名古屋葵大学学長に就任。趣味は俳句、剣道。主な著書に『世界初・認知症薬開発博士が教える 認知症予防 最高の教科書』(講談社)等。

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