資本主義の誕生と

資本主義の誕生と

思想の根源をめぐる知的対話

思想の根源をめぐる知的対話

その他

Oct 1, 2025

ゲスト

ショーン・マッキンタイア

米国の資産運用専門家ショーン・マッキンタイア氏を迎え、藤井厳喜との知的対話が展開されます。テーマは「資本主義と文明の根源」 一杯のバーボン・ウイスキーを前に、1789年の“3つの世界的転換”。アメリカ建国、フランス革命、そしてバーボン誕生を起点に、歴史の裏にある「人間の思想と制度」を読み解いていきます。 封建制と近代化の関係、悲観主義と楽観主義を生む宗教観の違い、インドの台頭がもたらす新秩序、そして西洋哲学と東洋思想の融合。投資家の視点と思想家の視座が交錯する中で、現代社会を生き抜くための“知の武装”が浮かび上がる。歴史・宗教・経済がひとつに溶け合う対話を、ぜひ最後まで見逃さずに!

1.3つの世界的事件が起きた1789年

1.3つの世界的事件が起きた1789年

1789年は、アメリカ建国、フランス革命、そしてバーボン誕生という“3つの革命”が重なる年。これらは単なる偶然ではなく、人類が「自由」「平等」「信仰」という価値観を模索し始めた象徴的な瞬間でした。ウイスキーという酒が、民衆文化と資本主義の象徴として広がった背景には、“誰もが楽しめる富”という新しい概念があります。経済活動や国家形成の根底には、常に思想や精神の変革がある。藤井とショーン氏の対話から、「一杯の酒」に宿る文明の記憶を紐解きます。

2.封建制がない土地で近代化ができない理由

2.封建制がない土地で近代化ができない理由

封建制は、単なる身分制度ではなく、国家と社会を組織化する“中間共同体”の仕組みでもありました。ショーン氏は、封建制を経ずして近代化を遂げた国は存在しないと指摘。個人と国家の間にある「忠誠・契約・責任」の意識が、市民社会と法の支配を育てたのです。これを経ていない社会は、民主主義や資本主義を導入しても「根」を持たず、長期的発展が難しい。歴史を構造として捉え、現代の国家運営にも通じる“制度と精神の両輪”を読み解く一節です。

3.神教と多神教が生む“世界観の違い”

3.神教と多神教が生む“世界観の違い”

単一神を信じる文化は、「神がすべてを導く」という信仰により、未来を悲観的に捉えやすい。一方、多神教的世界観を持つ文化は、「人間の意志と工夫で未来を切り拓ける」という前向きな姿勢を育みます。ショーン氏は、この違いが経済観や社会構造、さらには教育や労働観にも影響していると語ります。悲観主義が宿命論を生むのに対し、楽観主義は挑戦を促す。思想が国家の命運を分けるという、哲学と社会の接点を学べる深いテーマです。

4.インドはチャイナの代わりになりえるのか?

4.インドはチャイナの代わりになりえるのか?

ショーン氏は、グローバルサプライチェーンの再編が進む中で、インドの潜在力に注目します。しかし、単に人口や経済規模だけでは中国の代替にはなり得ません。鍵となるのは「制度の信頼性」と「自由の精神」封建制を経た英国と異なり、インドは植民地支配の名残を引きずり、中央集権と多様性のバランスが課題です。にもかかわらず、民主主義と英語力、IT技術を武器に新興勢力として存在感を高めるインド。未来の世界秩序を読む上で、見逃せない論点です。

5.二人の賢人を支える哲学的基盤とは?

5.二人の賢人を支える哲学的基盤とは?

藤井とショーン氏、2人の根底にあるのは“知の統合”という共通理念。ショーン氏は西洋的合理主義を基盤にしながら、東洋の調和思想にも共感を寄せます。藤井は、哲学・宗教・経済を貫く「文明の対話」こそ人類の未来を導くと語ります。単一の答えに依らず、対話と共存の中に真理を求める姿勢は、分断が進む現代への処方箋。思想を学ぶことが、単なる知識の習得ではなく、“生き方を選ぶ知恵”であることを教えてくれます。

内容紹介

内容紹介

  1. 「バーボン・ウイスキー」

    3つの世界的事件が起きた1789年


  2. 「封建制と近代化」

    封建制がない土地で近代化ができない理由


  3. 「悲観論と楽観論」

    ―神教と多神教による違いはどこまで大きいのか?


  4. 「今後の世界情勢」

    インドはチャイナの代わりになりえるのか?


  5. 「バッファロー・トレース」

    飲み進めるほど好きになるバーボンらしいバーボン


  6. 「思想の核」

    2人の賢人を支える思想的基盤とは何か?

編集後記

編集後記

ショーンさんとの対話を通じて強く感じたのは、経済や投資を語る上で「思想」を抜きにしては何も見えてこないということです。バーボン誕生の年に起きた3つの事件は、偶然ではなく“価値観の革命”でした。封建制、宗教観、国家制度。どれも抽象的に見えて、人間の暮らしと密接に繋がっています。ショーンさんの語る「制度の信頼性」や「自由の精神」は、現代の私たちにも問われているテーマ。経済やニュースの裏にある“思想の地図”を持つことが、これからの知的教養の鍵だと感じました。

 

プロフィール

プロフィール

ショーン・マッキンタイア

ショーン・マッキンタイア

米国アナリスト

米国アナリスト

米国の資産運用の専門家。プライベートポートフォリオマネージャーとして、富裕層の個人資産を管理。株式投資とオプション取引で財を成した投資一家だったこともあり、初めて投資をした11歳から30年近く、どこで働いてようとも常に株のことを考え、人の売買判断の法則性に目を向けてきた。現在は米国だけでなく日本でも、人々が豊かになるための情報を広めるため、投資分析者として分析やレポート執筆を続け、堅実な投資情報と富の哲学を発信している。

これまでに大学教授、大手バイオ医療メーカー、オーケストラ奏者、フィクション作家など一風変わったキャリアを歩む。二児の父。ファイナンス・ダディ。