藤井 厳喜


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習近平は本当に独裁者として君臨し続けているのか。チャイナ政治の表面だけを見ていると、この問いには「YES」としか答えられない。しかし藤井厳喜が解説する「チャイナ三大政治勢力」の内側を覗けば、習近平派・江沢民派・軍部という三つの力がぶつかり合い、習近平体制が静かに揺らいでいるという現実が見えてくる。国防大臣が二代続けて失脚し、核ミサイルの燃料に水が入っていた。これは笑い話ではなく、腐敗と権力闘争が招いた軍事崩壊の予兆だ。チャイナの未来を読むための「三大勢力」という視点を、知っておかないと損だ。最後まで目を離さないでほしい。
チャイナ政治を読む上で欠かせないのが、習近平派・共青団派・江沢民派という三大勢力の構図だ。鄧小平が定めた「二期十年」という不文律を破り、三期目に突入した習近平は、620万人もの官僚を粛清しながら個人独裁体制を固めてきた。しかし粛清された側は恨みを蓄え、一度は潰された共青団派が軍部と手を組んで復活の兆しを見せている。「意思決定協調調整機構」という新組織の設置は、習近平一人に全権を握らせないという包囲網の始まりだ。「習近平が失脚した」という言い方は大げさだが、その権力が確実に揺らいでいるのは事実。チャイナを読むには、この三角形の力学を知ることが出発点だ。

チャイナの軍人はなぜ軍人になるのか。答えは単純明快。金儲けのためだ。官位を買い、賄賂を集め、さらに上の地位を買う。この連鎖が軍全体に蔓延した結果、核ミサイルの燃料タンクに水が入り、進水させた軍艦が沈み、大砲が暴発するという笑えない現実が生まれた。習近平は自分の子分を軍部に送り込み腐敗一掃を叫んだが、その子分たちもまた賄賂漬けだった。国防大臣が二代続けて失脚するという異常事態は、軍事力の外見と実態の深刻なギャップを物語っている。「世界第二の軍事大国」というチャイナの看板が、内側からどれほど空洞化しているか。ここに答えがある。
表向き、トランプは習近平との良好な関係を盛んにアピールする。しかしその裏には冷徹な計算がある。習近平の鎖国・再社会主義化路線はチャイナ経済を自壊させており、アメリカにとってこれ以上都合のいい展開はない。経済が弱れば軍事力も弱る。それがトランプの読みだ。もし習近平が失脚して共青団派の国際派が台頭すれば、グローバリスト勢力と組んだチャイナが復活しかねない。習近平には腐敗した軍部を抑え込む力が衰えつつある一方で、フェンタニル問題でアメリカへの協力も引き出せている。「習近平でいい」というトランプの発言は、友好ではなく戦略的な計算の産物だ。この視点を持つだけで、米中関係の見え方が根本から変わる。


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習近平一強は本当か
三大勢力が描く、チャイナ権力闘争のリアル核ミサイルの燃料が水だった
賄賂と腐敗が生んだ、世界第二位の軍事大国の実態トランプはなぜ習近平を称賛するのか
米中の裏に隠された、冷徹な戦略的計算とは
チャイナ政治の難しさは、表に出てくる情報がすべて「見せたい情報」である点にある。そういう意味で、「意思決定協調調整機構」という新組織の名前ひとつから権力構造の変化を読み取る藤井先生の分析は、まさに情報リテラシーの実践だと感じました。特に「賄賂はチャイナ三千年の文化だ」という視点は、習近平の反腐敗闘争を単なる正義の執行ではなく政治闘争として読み直す鍵になっていて、腑に落ちる瞬間があった。軍事力の外見と実態のギャップもそうだが、表の数字や肩書きだけ見ていても本質は見えない。今回の話を通じて、チャイナを「読む」ための解像度が一段上がった気がする。崩壊論を語るより、崩壊の構造を理解することの方がはるかに重要だと改めて感じました。

国際政治学者。ハーバード大学大学院博士課程修了。日本のマスメディアでは決して報道されない、欧米政府が扱うレベルの政治・経済の動向、そして市民レベルの情報も踏まえて、文化、思想、宗教など多方面から分析し未来を的確に見抜くその予測能力は、内外の専門家から高く評価されている。
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