ローマはなぜ滅んだか

ローマはなぜ滅んだか

日本は今、その瀬戸際にいる

日本は今、その瀬戸際にいる

その他

藤井 厳喜

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免疫のない身体にウイルスが侵入すれば、人は病に倒れる。では、免疫のない社会に異質な文明が流入したとき、何が起きるのか。一晩のうちに埼玉各地で相次いだ住宅侵入盗難事件は、その問いへの小さくない答えだ。藤井厳喜の『感染症で読み解く「文明論と未来学」』が鋭く問いかけるのは、ローマ帝国はなぜ滅んだのか、封建制度はなぜ西ヨーロッパと日本にしか生まれなかったのか、そして外国人労働者の大量受け入れがなぜ日本社会の自己解体につながるのかという、現代日本が今すぐ向き合うべき本質だ。

1. 埼玉の窃盗事件が示す「異文明」との衝突

1. 埼玉の窃盗事件が示す「異文明」との衝突

一晩のうちに埼玉各地で相次いだ住宅侵入盗難事件。就寝中の住人の窓ガラスを割り、現金や貴金属を奪っていく。その犯行に藤井が見るのは、単なる犯罪ではなく「異文明の衝突」だ。細川バレンタイン氏が語るナイジェリアの話が象徴するように、親戚の靴を黙って持ち去っても罪と思わない社会、物を盗んだだけでその場でリンチされても文句が言えない社会が、地球上には厳然として存在する。報道が犯人の国籍や言語を意図的に伏せる「自主規制」の構造も、この問題の根深さを物語っている。日本人が「当たり前」と思っている安全で穏やかな日常は、決して自然に存在するものではない。その現実を、この事件は静かに突きつけている。

2. 文明とは何か、野蛮とは何か

2. 文明とは何か、野蛮とは何か

文明社会と野蛮社会の違いは、経済力や軍事力ではなく「法治と道徳」という二重の抑止力があるかどうかだ。文明社会では「盗むのは悪いことだ」という道徳的規範があり、さらに「捕まる」という法的抑止力がある。しかしそもそもその概念を持たない社会が、地球上にはむしろ多数存在する。藤井が指摘するのは、先進国と呼べる社会が西ヨーロッパ・日本・北米に限られているという冷徹な現実だ。感染症に例えるならば、文明社会とは免疫システムを持った健全な身体であり、その免疫を壊すウイルスが外部から侵入してくる時、身体は内側から崩壊していく。「文明とは何か」を問い直すことは、今の日本社会が直面している危機の正体を見極める第一歩だ。

3. ローマはなぜ滅んだのか

3. ローマはなぜ滅んだのか

人類史上最高水準の文明を誇ったローマ帝国は、外部からの野蛮人の流入によって滅んだ。属州の人々にローマ市民権を与え、ローマの精神を持たない人間を「ローマ人」にしてしまったことが、帝国崩壊の引き金になった。一方、チャイナは秦の始皇帝以来2200年、皇帝制度か無政府状態かの二択から抜け出せていない。封建制度を経て近代を生み出した西ヨーロッパと日本だけが、分権自治と法治の精神を育てることができた。この差が今日の文明格差の根源だ。感染症の歴史が示すように、免疫のない集団に病原体が持ち込まれれば、文明はあっという間に壊滅する。東西の古代文明が辿った結末は、グローバリズムという名の「国境なき感染拡大」が進む現代への、これ以上ない警告だ。

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内容紹介

内容紹介

  1. 窓ガラスを割っても罪と思わない
    埼玉の一晩に見た、異文明との静かな衝突


  2. 「文明」とは何か、「野蛮」とは何か                       

    法と道徳という二重の抑止力が、社会を社会たらしめる理由


  3. ローマはなぜ滅んだのか

    野蛮人を受け入れた帝国の末路と、封建制度だけが近代を生んだ理由

編集後記

編集後記

最も印象に残ったのは「文明が常に野蛮に勝つとは限らない」という言葉でした。ローマ帝国という人類史上最高水準の文明が、野蛮人の流入によって滅んだという歴史は、遠い昔話ではなく現在進行形の警告として響いてくる。身近な埼玉の窃盗事件が、2200年前の秦の始皇帝の話につながり、ローマ帝国衰亡史へとつながり、最終的に日本の水田稲作の知恵へと着地する。藤井先生の話はいつも、点と点が一本の線でつながる瞬間の快感があります。文明論を学ぶとは、今日のニュースを千年単位で読み直す力を身につけることだと、改めて感じた回でした。

 

プロフィール

プロフィール

藤井 厳喜

藤井 厳喜

国際政治学者

国際政治学者

国際政治学者。ハーバード大学大学院博士課程修了。日本のマスメディアでは決して報道されない、欧米政府が扱うレベルの政治・経済の動向、そして市民レベルの情報も踏まえて、文化、思想、宗教など多方面から分析し未来を的確に見抜くその予測能力は、内外の専門家から高く評価されている。


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