晩夏から初秋へ

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詩と旋律が描く季節の物語

詩と旋律が描く季節の物語

音楽

Sep 1, 2024

ゲスト

渡辺 めぐみ

歌と言葉が重なり合う瞬間には、人の心を大きく動かす力があります。今回の第3弾では、藤井厳喜が書いた詩に、渡辺めぐみさんが音楽を吹き込んだ作品が登場。「月と湖」では中原中也の世界観を取り入れた幻想的な一曲が生まれ、さらにエディット・ピアフをモチーフにした情熱的な歌も披露されます。言葉と旋律が一体となり、意味を超えて感情を響かせる「歌」という表現の本質が浮かび上がる回です。最後には渡辺さんのウクレレ演奏も加わり、音楽と人生観が交差する濃厚なひとときをお届けします!

1.詩から生まれる歌の力

1.詩から生まれる歌の力

藤井が綴った詩に、渡辺めぐみさんが旋律を重ねることで、言葉は単なる文字の羅列から鮮やかな音楽へと変貌します。「月と湖」の作品では、詩が持つリズムや象徴的なイメージが音の流れに溶け込み、まるで湖面に映る月の光景が目の前に浮かぶような感覚をもたらします。言葉に命を吹き込む音楽の力が鮮やかに伝わってきます。

月と湖

2.言葉と音楽の融合

2.言葉と音楽の融合

言葉には「明示性」があり、音楽には「暗示性」がある。渡辺さんは、この二つが合わさることで初めて、心の奥底に届く表現が完成すると語ります。詩が“意味”を伝える一方で、旋律は“余白”を描き、聴く人それぞれの記憶や感情を呼び覚ますのです。言葉と音楽の重なりが生む世界は、人間の感性に新たな気づきを与えてくれます。まさに「言葉では言い尽くせないもの」を伝えるために、音楽は存在しているのです。

3.大人が味わう音楽の喜び

3.大人が味わう音楽の喜び

本編では、エディット・ピアフを題材にした楽曲や、横浜の情景を描いたウクレレ演奏が披露されます。そこに込められているのは、若さだけでは到達できない“大人ならではの感性”音楽は娯楽にとどまらず、人生を映す鏡であり、心を洗い流す営みでもあります。過去の記憶を呼び起こし、未来を前向きに歩む力をくれる音楽の力。藤井と渡辺さんのコラボ作品は、その真髄を体感させてくれます。聴くことで「生きること」そのものの豊かさを思い出させてくれる、そんな珠玉の時間です!

内容紹介

内容紹介

  1. 藤井厳喜が考える「大人の歌」とは?

  2. 月と湖 / ピアノ(藤井厳喜作詞・渡辺めぐみ作曲)

  3. ピアフ / ピアノ(藤井厳喜作詞・作曲)

  4. September Nocturne / ピアノ(藤井厳喜作詞・渡辺めぐみ作曲)

  5. ある日の情景 / ウクレレ(渡辺めぐみ作詞・帰山正雄 from Lele de Bossa作曲)

編集後記

編集後記

渡辺めぐみさんのお話から、創作の現場で何より大切なのは「響きをどう人に届けるか」という視点だと強く感じました。音楽は単なる旋律の積み重ねではなく、詩や言葉が持つ感情の揺らぎをすくい上げ、音として解き放つ営み。その過程で、表現者自身が内面を深く掘り下げることが求められるのだと気づかされます。さらに渡辺さんは、音楽を「完成形にするための手段」ではなく「共に育つパートナー」と捉えており、その柔軟さが作品の豊かさを生むのだと学びました。

 

プロフィール

プロフィール

渡辺 めぐみ

渡辺 めぐみ

作詞家

作詞家

 サラ・ヴォーンの歌う「枯葉」を聴いて以来ジャズヴォーカルに夢中になり、ヴォーカルやピアノ弾き語りの活動を始める。2002年にウクレレをはじめ、日本ウクレレ協会に入会。作詞・作曲も行い、2009年にはウクレレの神様と呼ばれるハーブ・オオタ氏の楽曲に日本語詞をつけ、ハーブ・オオタ氏のアルバム『ハワイ』(ビクターエンタテインメント)に自身によるボーカルでその作品が収録されている。地元の千葉県でもサークル講師・カルチャー講師を務めている。