酒
Jan 1, 2026
ゲスト
吉川 靖浩

神楽坂の名店『ぼん・りびえーる(Bon Riviere)』を営む吉川靖浩さんと藤井厳喜が、マーテル・コルドンブルーを中心に、カルヴァドス、マール、そして職人の美学を語り合う対談の第三弾。瓶の中で林檎を育てるという手間を惜しまない酒造りの話から、吉川さんが愛用するアルザスのマスネ社のリキュール、そして「ソワニエ(常連)」という言葉に込められた双方向のコミュニケーションの大切さまで。カウンター越しに交わされる創造的な対話は、まさに「ライブ」そのもの。寿司職人、天ぷら職人、パティシエ。職人の手には、それぞれの人生と哲学が刻まれています。酒を通じて見えてくる職人の誇りと、好奇心が紡ぐ豊かな時間を、最後まで見逃さずにご覧ください!
カルヴァドスの瓶に丸ごと入った林檎は、小さな実の頃に瓶を差し込み、その中で育てるという気の遠くなる作業の賜物です。瓶の中は蒸れやすく、多くが腐ってしまうため、日陰を作り扇風機を当て、反射を避ける。そこまでして一つの瓶を完成させます。吉川さんが愛用するアルザスのマスネ社は、香料を使わず素材本来の香りを引き出す蒸留酒の専門メーカー。師匠たちもマスネを使っていた縁があり、その味わいは彼の菓子作りの哲学を支えています。手間を惜しまない酒造りと菓子作り。共通するのは「本物」への誠実さです!

吉川さんが語る「ソワニエ(常連)」は、単なる受け手ではありません。「こういうものが食べたい」とリクエストを投げかけ、シェフもそれに応えて創作に挑む。双方向のコミュニケーションが成り立つ関係です。リクエストを受けると頭の中で完成形をイメージし、工程を組み立てる。三年かかろうが十年かかろうが、納得のいく答えが出たときに初めて提供する。カウンター越しに交わされるこの創造的な対話こそが、職人仕事の醍醐味であり「ライブ」なのです!

海外リゾートで、すすだらけの手で寿司を握ろうとした職人を和食の板長が激怒「こんな手で寿司を出されてうまいか?」その言葉に深く納得した吉川さんは、以来毎晩スキンクリームを塗って手を大切にしています。手は仕事道具であり、カウンターという「舞台」で見せるものでもある。ある取材で「職人さんの手には個性がある」と言われたことも印象的でした。手には仕事への向き合い方と人生が刻まれている。職人としての誇りが、そこには宿っています。
瓶の中で育つ林檎が教える「本物」の条件
カルヴァドスとマスネ社、手間を惜しまない酒造りの哲学カウンターは「ライブ」である
ソワニエとシェフが紡ぐ、創造的な対話の舞台職人の手に宿る誇りと個性
すすだらけの手が許されない理由。仕事道具としての美学
第三弾は、酒の話から職人の美学へと深まっていく贅沢な時間でした。瓶の中で林檎を育てるという途方もない手間、ソワニエとシェフが交わす創造的な対話、そして職人の手に刻まれた誇り。どれも「本物」を追求する者だけが語れる言葉ばかりです。特に印象的だったのは、吉川さんが「カウンターはライブだ」と語ったこと。寿司職人も天ぷら職人もパティシエも、カウンター越しにお客様と向き合い、その場で創造を生み出す。それはまさに舞台であり、生演奏です。お酒を飲みながら、人生の深いところに触れた対談でした。

パリのようなテラス席のある洋菓子店:ぼん・りびえーる(Bon Riviere)ご主人
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