神楽坂の味に宿る「職人の記憶」

神楽坂の味に宿る「職人の記憶」

コニャックに込められた大人の美学

コニャックに込められた大人の美学

Jan 1, 2026

ゲスト

吉川 靖浩

神楽坂の名店『ぼん・りびえーる(Bon Riviere)』を営むパティシエ・吉川靖浩さんをゲストに迎え、マーテルのコニャックを飲み比べながら、お菓子作りの哲学と修行時代の思い出を語り合う贅沢な時間。オランジェットやクッキーの繊細な仕事ぶりから、フランスで学んだ職人の流儀、そして一杯のコニャックに刻まれた「憧れた大人の姿」まで。味覚を通じて紡がれる物語には、職人が大切にしてきた美意識と人生の機微が詰まっています。技術だけでは語り尽くせない"おいしさの背景"に迫る内容は、食の世界に興味がある方だけでなく、仕事への向き合い方や師弟関係の本質を知りたい全ての人に響く学びに満ちています。最後まで見逃さずご覧ください!

1. 職人が作る「手間」の価値

1. 職人が作る「手間」の価値

吉川さんのオランジェットは、柔らかく香り高く、他では味わえない逸品。その秘密は、オレンジの皮を低濃度の砂糖から徐々に炊き上げる気の遠くなるような工程にあります。さらに、店で提供されるカモミールティーも、粉砕したてのカモミールを少量ずつ酸化させないよう小分けに保存し、たっぷりの茶葉で淹れるという徹底ぶり。「ケチっていいことない」という言葉に込められているのは、味を守るために惜しまない手間と覚悟です。こうした一つひとつの"見えない努力"こそが、お客様の「美味しい」という感動を生み出しているのです。職人の誠実さが、味覚を超えて心に届く瞬間がここにあります!

2.マーテル・コルドンブルーに刻まれた「憧れの大人」の記憶

2.マーテル・コルドンブルーに刻まれた「憧れの大人」の記憶

グアムのホテルで修行していた20代後半、吉川さんはある先輩ホテルマンに出会います。その人物が教えてくれたのが、マーテル・コルドンブルーには「白・青・赤」三色のラベルがあり、「飲めばわかる」という粋な一言でした。飲み比べた結果、吉川さんは白ラベルに惹かれ、それ以来この酒は「こんな大人になりたい」と思わせてくれた憧れの象徴となりました。当時はまだ駆け出しの身でありながら、先輩たちが年齢を超えて「面白いか、いい仕事をするか」で評価してくれた温かさ。その記憶がコルドンブルーと結びついているからこそ、一口飲むたびに「あの人のようになりたい」という想いが蘇るのです。味わいだけでなく、そこに刻まれた人との出会いこそが、本当の豊かさを教えてくれます!

3.フランス修行で培われた「美味しい」の基準とマリアージュの哲学

3.フランス修行で培われた「美味しい」の基準とマリアージュの哲学

吉川さんはコーヒー党。若い頃から喫茶店文化に親しみ、ブラックコーヒーを飲むことで「美味い・不味い」の感覚を磨いてきました。だからこそ、店で出すコーヒーには自信がある一方、紅茶は自分の舌だけでは判断できず、スタッフの意見を借りて選ぶという謙虚さも持ち合わせています。フランス修行時代は食べるのがやっとの生活でしたが、師匠や先輩たちが食事や酒を振る舞ってくれ、その中でコニャックやコーヒーといった「本物の味」に触れる機会を得ました。お菓子と飲み物のマリアージュを大切にする姿勢は、こうした修行時代の豊かな経験が土台になっています。技術を超えた"味覚の教養"こそが、職人の真骨頂なのです!

内容紹介

内容紹介

  1. コニャックは「憧れの大人」への入り口
    白・青・赤、三色のラベルに込められた人生の選択


  2. 手間を惜しまない職人の哲学
    オランジェットとカモミールが教える「ケチらない美学」


  3. 修行時代の記憶と味覚

    グアムの夜に学んだ「粋な大人」の流儀

編集後記

編集後記

吉川さんとのお話を通じて感じたのは、職人の仕事には必ず「人」が宿っているということです。オランジェット一本、カモミールティー。一杯にも、作り手の記憶や想いが息づいています。そして、マーテル・コルドンブルーに象徴されるように、味わいの奥には「憧れた誰か」や「支えてくれた誰か」の存在がある。技術や素材の話だけでなく、師弟関係や修行時代のエピソードが自然と交わる対話の中に、職人という生き方の豊かさを見た気がしました。何気なく口にする一杯のコーヒーや一粒のお菓子にも、こうした物語が隠れているのかもしれない。そう思うと、日常の味わいがもっと深く、愛おしいものに感じられます。

 

プロフィール

プロフィール

吉川 靖浩

吉川 靖浩

パティシエ

パティシエ

パリのようなテラス席のある洋菓子店:ぼん・りびえーる(Bon Riviere)ご主人