習近平の「師」を知れば

習近平の「師」を知れば

中国の次の一手が見えてくる

中国の次の一手が見えてくる

藤井 厳喜

このビデオのお試し視聴はコチラだニャ

同胞を何千万人も殺した男が、今も天安門に巨大な肖像画を掲げられ続けている。藤井厳喜が「新・戦略論体系」の毛沢東編で明かすのは、20世紀最大の革命家がいかに大衆扇動の天才であり、経済政策の大失敗者であったかという実像だ。大躍進政策の壮大な空振り、文化大革命という内戦で権力を奪回した手口、ニクソンを「朝貢に来た」と見せかけた外交詐術。そして習近平が毛沢東を「心の師」として仰ぎ、鄧小平路線を逆転させようとしている今、この男を知ることは習近平の次の一手を読む唯一の方法だ。最後まで読めば、今の中国が見える地図が手に入ります。

1.同胞を何千万人殺した男の「偉大な業績」

1.同胞を何千万人殺した男の「偉大な業績」

毛沢東を単純に「悪人」と切り捨てることは、現代中国を読み誤ることにつながると藤井は言う。四分五裂し列強に蚕食されていた中国を共産主義イデオロギーで統一したことは、チャイナの立場から見れば確かに偉大な業績だ。しかしその代償は桁外れに大きかった。共産党の重鎮・葉剣英が毛沢東の死後に思わず漏らした「同胞を1億人殺した」という言葉、文化大革命前の時点でアメリカ議会の調査委員会がすでに4000万人殺害と報告していたという事実。スターリンの2000万人、ヒトラーの900万人と比べても桁が違う。功績と害悪の両方を正確に把握することが、この男を「敵として研究する」出発点だと強調する。

2.大躍進の大失敗と文化大革命

2.大躍進の大失敗と文化大革命

毛沢東は革命と破壊においては天才だったが、経済建設の才能は皆無だったと藤井は断言する。1950年代の大躍進政策では「10年でイギリスの工業力を抜く」と宣言しながら、古い土法製鉄を全国に広めた結果、すでにある質の高い鉄製品を溶かして質の悪い鉄に変えるという笑えない失敗を演じた。農業では人民公社を強制し、土地の個人所有を禁じたことで生産性が激減した。失脚寸前にまで追い込まれた毛沢東が権力奪回のために使ったのが、紅衛兵という青少年の反乱だ。「造反有理」のスローガンのもと、学校・党幹部・知識人をすべて攻撃させたこの文化大革命は10年に及ぶ内戦となり、鄧小平らの実務派を権力の座から引きずり下ろすことに成功した。

3.習近平が毛沢東を「師」と仰ぐ理由

3.習近平が毛沢東を「師」と仰ぐ理由

改革開放の30年でチャイナを経済大国に育てた鄧小平路線は、毛沢東が目指したものとは真逆だった。しかし習近平は今、その鄧小平路線を逆転させようとしている。藤井が「毛沢東を勉強せよ」と訴える最大の理由がここにある。習近平の父は文化大革命で失脚した側の人間であり、習近平自身も地方に「下放」された経験を持つ。個人的には毛沢東を恨んでいるはずの人物が、路線としては鎖国・共産主義原理主義・国営企業強化という毛沢東回帰を進めている。

このビデオのお試し視聴はコチラだニャ

内容紹介

内容紹介

  1. 同胞を何千万人と殺した男が、なぜ今も「偉大な指導者」なのか

    功績と害悪を正確に知ることが中国を読む出発点になる


  2. 革命の天才が「鉄を溶かす」大失敗をした理由

    破壊は得意でも国づくりができなかった男の限界


  3. 鄧小平を憎みながら毛沢東を真似る習近平の矛盾

    改革開放を逆転させる今の中国と世界の左翼運動に今も息づく毛沢東主義

編集後記

編集後記

「悪人中の悪人だが、研究に値する大悪人だ」という藤井先生の言葉が印象的でした。憎むだけでは相手の次の一手は読めない。毛沢東が経済政策に失敗し続けながらも大衆扇動で権力を維持し続けた手口は、現代のポピュリズムと重なって見えます。大躍進政策で質のいい鉄製品を溶かして質の悪い鉄に変えてしまったというエピソードは、滑稽を通り越して恐ろしかったです。そして今の習近平がその毛沢東を「師」として仰いでいるという事実が、現在の中国の動きをそのまま説明していると感じました。歴史を学ぶとは、未来を読む地図を手に入れることだと実感できた回でした。

 

プロフィール

プロフィール

藤井 厳喜

藤井 厳喜

国際政治学者

国際政治学者

国際政治学者。ハーバード大学大学院博士課程修了。日本のマスメディアでは決して報道されない、欧米政府が扱うレベルの政治・経済の動向、そして市民レベルの情報も踏まえて、文化、思想、宗教など多方面から分析し未来を的確に見抜くその予測能力は、内外の専門家から高く評価されている。

このビデオのお試し視聴はコチラだニャ