ゲスト
金子さん・高山さん


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「年を取ったら、放っておくと汚くなる」これは藤井厳喜の父親が息子に残した言葉だ。50歳まで丸坊主・無精ひげで通し、おしゃれとは無縁だった藤井が、なぜ今プロのスタイリスト2人に服を任せるようになったのか。男性スタイリストの金子さん・高山さんとともに語るのは、お尻が隠れないジャケットがなぜ貧相に見えるのか、第1次世界大戦後のフィレンツェで「伝説」になった日本人とは何者か、そして「背伸びをする」という言葉が日本の男から消えた理由だ。デュワーズ32年を傾けながら繰り広げる、服と礼儀と男の矜持をめぐる本音トーク。あなたも今日のジャケットが気になり始めるはず!
男性スタイリストの金子さん・高山さんが口を揃えて言うのは、「ジャケットの着丈でほぼ決まる」ということだ。最近のカジュアルジャケットは着丈が短いものが多く、テーラードであればお尻が隠れる丈が基本中の基本だという。それだけ守れば、無地のネイビー1着でもグッと締まって見える。さらに裏地・ボタン・生地の目方(アンチブック)で差が出るのがテーラーの世界だ。街を歩けば、パンツの股下が短すぎる人、骨格無視のスウェット素材のスーツを着ている人が目につく。誰も教えてくれないから間違いに気づかない。テーラーが街から消えた今、正しい知識を得るには百貨店のスタイリングサービスか、信頼できる人からの紹介しかないというのが2人の結論です。

世界大戦後、戦勝国となった日本は円が強くなり、多くの日本人がヨーロッパへ渡った。その時代にフィレンツェを訪れた日本人たちが、いまだに現地の生地屋で語り草になっているという話を藤井は紹介する。彼らはイタリア最高の生地で洋服を仕立て、それを日本に伝えることを使命と感じていた。「お前たちの先祖は偉かった」そう言われたというエピソードは、おしゃれが単なる自己満足ではなく、文化の継承と礼節の表れだったことを教えてくれる。本当のおしゃれな人は流行を追うのではなく、生地屋に通い「これが私だ」と感じる1枚を探し続ける。その姿勢は、ウイスキーの樽と同じで、本物は時間と目利きが育てるものだ。
かつての日本の男たちは、普段は質素でも「ここぞ」という場面のための一張羅を持っていた。モーニングを自前で持ち、結婚式には相手への敬意を服で表す。その精神が今、急速に失われていると高山さんは指摘する。「かっこつけようという男がいない」「ちゃんとした洋服を持っておこうという精神がなくなっている」という言葉は、ファッション論を超えて、男の生き様の話だ。箸の作法が家庭から消えたように、服装の礼儀も教わる場がなくなった。アメリカ人女性から「日本の男は中年になると急に落ちる」と指摘された藤井が感じたのも、同じ問題の別の側面だ。服は自分のためだけでなく、相手への敬意の表現でもある。その感覚を取り戻すことが、男の品格を取り戻す第一歩になる。


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あなたのジャケット、実は「着丈」だけで全部決まっている
男のジャケット選びで絶対に外せない「着丈の法則」100年前の日本人がフィレンツェで今も語り継がれている理由
最高の1着を日本へ持ち帰った先人の美意識と失われつつある継承の話「普段着とよそ行き」の区別が消えた日本の男たちへ かっこつける生き様が消えた日本で、今男に必要なこと
「年取ったら放っておくと汚くなる」というお父上の言葉が、この回の全部を言い表していると思った。若さは放っておいても輝くけれど、年齢を重ねた美しさは意識と手間をかけた人にしか宿らない。フィレンツェで日本人の先人が伝説になっているという話は、純粋に誇らしかった。デュワーズ32年を飲みながらこの話をするのが藤井先生らしいというか、ウイスキーも服も、本物は時間と目利きが育てるという共通点があって面白かったです。「背伸びをする」という言葉をもう一度使いたくなる回でした!
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