「二流」と呼ばれた酒と国が

「二流」と呼ばれた酒と国が

世界の主役に躍り出た

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その他

ゲスト

金子さん・高山さん

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「ライ麦ウイスキーは二流のウイスキーだ」昔のアメリカではそう思われていた時代があった。大麦より安いから仕方なく使われ始めた素材が、今や独特の癖と風味で愛飲家を惹きつける存在になっている。藤井厳喜が15年熟成の「ホイッスルピッグ」を傾けながら語るのは、焼酎が今まさに迎えている熟成技術の実験段階。そして「劣等生」と呼ばれていたイタリアが今やヨーロッパ経済の主役に躍り出ているという驚きの逆転劇だ。家族経営、職人仕事、伝統を守る生き方が、なぜ今結果を出しているのか。日本のものづくりが直面する相続税という静かな脅威まで、酒の話から始まり経済と国家の話へとつながっていく。

1.ライ麦が教える、熟成という時間の力

1.ライ麦が教える、熟成という時間の力

普通のウイスキーは大麦で作るが、ライ麦の方が安かったために生まれたのがライ麦ウイスキーだ。バーボンがトウモロコシで作られるようになったのも同じ理由で、もともと安価な素材の代用として始まった経緯がある。そのため一時は二流扱いされていたが、藤井は15年熟成の「ホイッスルピッグ」を「だいぶ練れていい味になっている」と評価する。田舎っぽい癖こそがこの酒の魅力で、独特の臭みを持つヤギのチーズと合わせる楽しみ方も紹介された。一方、日本の焼酎はまだ「寝かせる」という熟成技術の歴史が浅く、シェリー樽やバーボン樽を使った実験が今まさに進行中だ。ミズナラ樽で寝かせた焼酎がどんな味になるのか、その答えはまだ誰も知らない。

2.「劣等生」イタリアが「優等生」ドイツを抜いた

2.「劣等生」イタリアが「優等生」ドイツを抜いた

10年前、イタリアはギリシャ・スペイン・ポルトガルと並んで「南ヨーロッパのダメな経済」の代表格と言われていた。ところが今、ドイツが3年連続マイナス成長で苦しむ一方、イタリアはヨーロッパで最も元気な経済国になっている。イタリアの銀行がドイツの銀行を買収するという、かつてなら考えられなかった逆転現象まで起きている。メローニ首相はトランプ政権と足並みを揃え、最先端の防衛政策を導入しながらも、家族経営の中小企業という伝統的な産業構造を崩さなかった。地中海に面した地理ゆえに移民の流入圧力はフランスやドイツより大きかったにもかかわらず、毅然とした政策で立て直したことが今の好調を支えている。

3.三ヶ月決算という呪縛と相続税が壊す日本のものづくり

3.三ヶ月決算という呪縛と相続税が壊す日本のものづくり

アメリカ経済の弱点として藤井が指摘するのが、四半期ごとの決算に縛られ、経営者が長期計画を立てにくい構造だ。トランプ政権が決算を年2回に見直そうとしているのも、この短期志向への反省からきている。一方イタリアは家族経営ゆえに株主の短期的な評価に振り回されにくく、それが本物のものづくりを支えている。これは日本にも重なる問題で、大企業を支えているのは無数の中小・零細の下請け企業だ。しかし相続税55%という重さは、2代続けて相続すれば資産が3割程度にまで目減りする計算になる。やる気のない後継者が出れば、企業はあっさり売却され、国益が相反する外国企業に買われていく。ものづくりの基盤が静かに失われつつある現実が、ここにある!

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内容紹介

内容紹介

  1. なぜ「安いから」始まった酒が、今これほど美味しいのか

    ライ麦と焼酎の熟成実験が教える時間という調味料の正体


  2. ドイツを抜いたイタリア経済の正体は「家族経営」だった

    落ちこぼれと呼ばれた国が見せた逆転劇


  3. 黒字でも会社を手放す日本の社長たち

    日本のものづくりを静かに蝕む税制の構造

編集後記

編集後記

「二流のウイスキー」と呼ばれていたライ麦が15年の熟成でここまで深い味になるという話と、「劣等生」と呼ばれていたイタリアが今ヨーロッパの主役になっているという話が、不思議と重なって聞こえた。安かろう・劣っていようと思われていたものが、時間と伝統を味方につけて化けていく。焼酎の熟成がまだ実験段階だという話には、これから何が生まれるかわからないワクワク感があった。一方で相続税55%という数字を改めて聞くと、日本のものづくりの土台がいかに薄氷の上にあるかを感じさせられる。お酒の話のはずが、気づけば国の未来の話になっている、いつもの濃密な時間でした!

 

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