その他
Jul 1, 2025
ゲスト
金 文学

かつて中国共産党の最高指導者だった毛沢東は、どのような思想と戦略で国を動かしてきたのか?今回の対談では、評論家であり中国政治に深く精通する金文学さんを迎え、その人物像の核心に迫ります。独裁者か、理想家か?民衆を動かす「物語」を操った毛沢東の素顔と、その支配の構造とは?現代のリーダー論にも通じる濃密な一節。
混迷の時代を生き抜いた若き毛沢東は、農村社会のリアルに根ざした「民衆主体の革命思想」を育てていきます。マルクス主義を中国独自の文脈で再構築し、理想主義と現実主義を並立させた柔軟さが特徴的。思想的背景にあるのは、“時代を変えるのは自分だ”という強い使命感。彼の内面にある信念と戦略的思考が、中国の運命を動かしていきます。

文化大革命期、毛沢東は敵味方の構図を鮮明に描き、民衆の怒りを誘導することで徹底したコントロールを行います。その裏には、プロパガンダと情報統制を駆使した巧妙な心理戦がありました。「カリスマ性」と「恐怖政治」を高度に融合させた彼の支配構造は、人の“信じる力”を利用した前代未聞の国家運営モデル。リーダーシップとは何かを問われます。

毛沢東は単なる独裁者ではなく、群衆の心を動かす“語り部”としての戦略家でもありました。大義を掲げ、敵を設定し、行動を正当化するストーリーテリング力は、現代のビジネスや政治にも通じる力です。「目的のためには手段を選ばない」という徹底したリアリズム、そこに潜む功罪をどう読み解くか。現代の私たちにも示唆に富む、深い学びが隠されています!
毛沢東とは「支配の物語」を演出した男
革命と独裁を両立させたカリスマの正体とは?
“農村・民衆・神話”で読み解く中国革命
毛沢東はいかにして大衆を動かしたのか?
指導者に必要なのは「構想力」と「演出力」
毛沢東に学ぶ、時代を超えるリーダーの条件とは?
毛沢東という存在は、現代日本の価値観では捉えきれない複雑な人物です。残酷さと理想主義、カリスマ性と恐怖支配。善悪の判断を超えたところに、「歴史を動かす人間」が見えてきます。対談を通して見えたのは、「力」と「思想」が交差する瞬間の恐ろしさと美しさでした。
比較文化学者、文明批評家、日中韓国際文化研究院長。東北師範大学外国語学部日本語科卒業。大学講師を務めたのち91年に来日し、同志社大学大学院、京都大学大学院を経て2001年、広島大学大学院博士課程修了。広島文化学園大学、福山大学、安田女子大学なので教鞭を執る。現在は日本に帰化し、日中韓3国で執筆、講演活動中。令和2年度東久迩宮文化褒章受賞。「東アジアの鬼才」と呼ばれるなど、その言論活動はアジア各国で高く評価されている。
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