酒
Dec 1, 2025
ゲスト
岡田 龍一郎

お酒は「嗜好品」か、それとも「資産」か。その境界線を、現場の視点から静かに問い直す対談が実現した。今回のゲストは、ダイレクト出版グループのAPJ Media合同会社でマネージャーを務める岡田龍一郎さん。藤井厳喜の商品を扱う部署で経験を積み、現在は米国株を軸とした資産形成のアドバイスを行う立場にある人物だ。そんな岡田さんが語るのは、理論先行の投資論ではなく、「現物」と向き合う中で培われたリアルな判断軸。お酒という身近な存在を通して見えてくる、投資家の役割と覚悟とは何か。短期的な利益に流されがちな今だからこそ、立ち止まって考えたい視点がここにある。
ウイスキーやブランデーは、寝かせることで完成する。つまり価値が生まれるまでに、何十年もの時間と資本を要する。量は減り、管理コストはかかり続け、それでもなお価値が上がるのは「時間そのもの」が価格を押し上げるからだ。短期的な成長を追いがちな現代の投資とは真逆の思想だが、だからこそ現物投資には強さがある。待てる者だけが得られる価値が、この世界には確かに存在する。
酒は長く寝かせれば良いわけではない。ある瞬間を過ぎると、香りも力も衰えていく。その「ピーク」を見抜く感覚こそが、投資家に求められる資質だと語られる。上がり続ける資産は存在しない。だからこそ、いつ手放すかが重要になる。理屈ではなく、経験によってしか身につかない判断力が、酒の熟成という分かりやすい例を通して浮き彫りになる。
投資とは数字を追う行為ではなく、「誰に賭けるか」「流れはどこにあるか」を見極める営みだ。その感覚は、子どもの頃の遊びと驚くほど近い。勝つ人のそばに集まり、流れを読む。その本質は大人になっても変わらない。ただし、増えること自体を楽しめなければ続かない。投資とは、時間と人を信じ続ける行為なのだと、この対談は静かに教えてくれる。最後まで聞くことで、その重みがはっきりと伝わってくる。
お酒は“飲んで終わり”じゃない
現物投資としてのお酒の本質
チャートの外にある判断軸
米国株投資家・岡田龍一郎が語る「持つ理由」と「手放す勇気」
投資家の仕事は“当てること”ではない
藤井厳喜×岡田龍一郎が共有する、資産と向き合う覚悟
お酒の話をしているはずなのに、気づけば投資、歴史、文化、そして人間の欲望と判断の話にまで広がっていく。そんな不思議な読後感が残る回でした。数字や理論で語られがちな投資を、ここまで“体感的”に理解させてくれる対談はそう多くありません。グラスの向こうで交わされる言葉の一つひとつに、時間を生き抜いてきた人ならではの重みを感じました。
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